京のナツたび〜京大花山天文台


第42回を迎えた 京の夏の旅
文化財特別公開…東山連峰にある
京大花山天文台」へ!

山科区北花山大峰町というところ、
東山ドライブウェイ内にあり、
アクセスは車でなければ
ちとムズカシイ。
夜に行われる観測会などは、
一般公開されているようですが、
昼間に敷地内に立ち入れるのは、
なかなかチャンスがないそうです。
右の門柱には
京都大學 花山天文臺」。
サイトには「未舗装の道もある」と
ありましたが、敷地内はすべて砂利道。
門内から登りが続きます。
木立にムックリと現れる天文台。
現在も最新天文学の研究の場であり、
観測が続けられう場所なのです。
観測ドームを戴くから、
なかにはアールがそこかしこに。

鉄の階段をあがると…
直径9mのドームへ。
国内3番目の大きさとなる
45cmの屈折望遠鏡
鎮座しています。

天体の追尾には今なお現役の
重力時計」が健在です!

ドームの回転は人力でも可能とか…

改めて作ることの出来ない
機械仕掛けはぜひとも、
後世に残してほしいものです。

京大の天文台はもともと、
京都大学の構内にあったそうですが、
市街化により夜の観測の地点を
求めて…この花山の地に。



1929年(昭和4)に開設時に出された
『天界』No.103にはこうあります。

「目下、天文台以外には、
 全山一体に人の気も
 無いのだから、事実上、
 誰からも観測の妨害を受けない…」

山科区はかつては「山科郷」として、
近郊農村として町灯りはかなり
少なかったようでして、
夜の帳が下りると、
満天の星空を
眺めることができたそうです。

本館を見下ろすと…
右手に別館、平屋が旧子午線館。

本館ベランダにも
出させてもらいました。

ここにもアールのコンクリが秀逸。

この地にが道がなかったのですが、
1927年の夏に、
京都の工兵隊の演習のために、
三間幅の自動車道「花山道路」が
山林を開拓して開通したそうです。
当時の軍の力を
感じるエピソードです。

『天界』No.103より

こちらは「歴史館」となっている
旧子午線(しごせん)

子午儀…

花山天文台の第三代台長
宮本正太郎博士に贈られた
かのアームストロング船長
月面足跡をかたどった灰皿。
アポロ月面着陸の最適地点を
決定にのための月面詳細観測へは、
フランスの
ピック・デュ・ミディ天文台
イギリスのマンチェスター大学
とともに花山天文台は、
大きな役割を果たしたそうです。
こちらシーロスタットという、
2枚の平面鏡を用いて天体の光を
常に同じ場所に投射するように
駆動するシステムの一部。
小屋そのものが移動するしくみに…

手入れが行き届いていますが、
かつては解体の憂き目に…
貴重な大正から昭和の
洋式木造建築として
保存され現在は歴史館に。

ガイドさんに教えてもらった、
撮影スポット。
子午線館と本館ドームが重なる。
河島英五の「信望」という
レコードジャケットにも、
使われているとか…

こちら別館では観測中。
地下鉄 東西線「東山」駅から
無料バスが出ています。
それと…自販機とかは
現地に無いので、
かならず飲料水
持って行ってください。

第42回 京の夏の旅
   〜9月30日(土)まで

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