富士ラビットはイマは"なか卯”


七条通りを西へまっすぐいくと…

富士ラビット」とある
"なか卯"さんが、
出で立っておりました。

アーチ型のガラス窓には、
破風のようなデザイン。
もとは「日光社」さんの社屋として
大正12年に建てられたものです。
当時はT型フォードの輸入代理店、
そしてタクシー業を開業。

ラビットスクーターは、
アメリカ軍のスクーターをお手本に、
富士産業株式会社が1947年から
販売開始した2輪車なんだそうです。

ちなみに、富士産業の前身は
中島飛行機という会社で、
戦闘機を製造していたんだとか…
レリーフの中央はローマの騎馬戦車?

乙女の持ったプロペラが、
飛行機とのルーツを想像させます。

正面に…ドーナツ??

店に入ると
なんとタイヤなのでした。

ステンドグラスのタイヤって…
おそらくここだけでしょう(・ω・)v

こっちは、
しっかりとタイヤ痕が付きそう。

左右には
田園風景が広がります。

左から来るのは、
荷物を載せて走るクルマ。

ちなみに…日光社を
起業したのは粂田幸次郎さん、
京都のタクシーでお馴染みの
ヤサカグループさんなのです。

もう一つヤサカグループとの関わり。
この建物は愛仁建築事務所の設計、
その所長 坂尻一郎さんは、
ヤサカグループの社章
デザインを手がけていました。
"なか卯"で食べれば…
このステンドグラスを楽しめます。
なかなか室内からのステンドグラスって、
撮らせてもらえないことが多いですし、
ブライダル施設になってたりすると、
入ること自体尻込みしていますから…

もともと解体して新しい建物を建てるか
再利用するか迷っていたそうですが、
市の推薦で国の登録文化財に…



活用しながら保存するという方向に
なって本当によかったと思いますね。
耐震基準が変わるたびに、
解体が年々増えています。

内部は1階を貸店舗…ウサギだから
"なか卯"に貸しはったのかは??
2階はラビットサロンとして、
月1回クラシックコンサートが

当時の写真をもとに材料・色あいなど、
細かな分析によって復元を手がけたのは、
NEO建築設計室さんの尽力のたまもの。

3階は住居スペースになっているそうです。



2002年に生まれ変わったってこと、
そうなのかも知れません。

「日光社」

→富士ラビットスクーター→なか卯七条新町店
施工年:1923年(大正12)ごろ
設計 :愛仁建築設計事務所
構造 :鉄筋コンクリート造り・一部煉瓦製3階建て
【国登録有形文化財】

このブログはNEO建築設計室さんの
富士ラビット旧館改築のブログを参考にしました。 

このブログの人気の投稿

万博のユニフォーム

2015あけおめ!!

異界との出入り口《春日権現験記絵》