神戸海岸通をゆく④ 神戸税関


時計塔と玄関アーチの
コントラストが秀逸、
神戸税関」は大蔵省 営繕課の
大熊喜邦さんの設計によるものです。

一見クラシックな造り…
とみせておいて、
装飾のそれぞれには
極度の分解が進められています。


幕末に開かれた神戸港、
もともとは兵庫港と呼びましたが、
慶応3年には税関が設置されたそうです。
大正時代に火災で消失、
1927年に現在の地に建てられました。

国道沿いにあった「行幸記念碑

1929年6月7日に
神戸税関に寄られたとか、
市民挙げて
奉迎歌をもってお迎えしたこと、
昭和天皇(当時28歳)が
貿易の状況について
ご下問された記録が
残っているそうです。

よくみると時計塔の時計は、
9時18分を指しています。
大阪城内の行在所を出発される
直前の神戸の様子のようです。

御召艦は午前10時40分、
現在の新港第2突堤 東側岸壁に着岸、
税関長の先導で御召自動車にご乗車、
兵庫県庁へ向われ、
その後 神戸海洋気象台、
神戸市役所、湊川神社をご視察ののち、
神戸税関に来られたようです。

阪神淡路大震災による修復の際に
外壁部分を残して再建されたそうです。
倒壊や崩落こそなかったそうですが、
当初は解体も検討されたのです。
ただ建物のモノが違うのでしょう、
復元されていますが重量感は健在です。







時計台になっている円柱の塔屋。
ちなみに時計は正面側と港側
それぞれに向けられていました

神戸税関

建築年:1927年(昭和2)
設計 :大蔵省営繕課(大熊喜邦)
所在地:神戸市中央区新港町12-1

参考文献:神戸税関HP
税関小掘れ話 税関長室は元貴賓室

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