「シンデレラ」ガラスの靴の秘密

好評だから上映延長のお陰で間に合った
実写版の『シンデレラ』・・・

夜中の12時で魔法が解けると、
かぼちゃの馬車も、
ハツカネズミの馬も、
アヒルの御者も、
トカゲのお供も、
そしてシンデレラの服も・・・
みんな戻ってしまうのに。

なぜかガラスの靴だけは、
魔法が解けないシンデレラ』。
その答えが本作で暗示がありました。

フェアリー・ゴッドマザーが魔法を
かけるシーン。
「まって。その靴しかない?」
「どうせ見せないわ」
「おめかししても靴で台無し。
 早く脱いで。新しいのを出すわ。
 靴の魔法は得意なの」。。と。
靴は新たに作ったものだから、
決して魔法じかけの
そう「紛い物」ではなかったということ。

シンデレラ」物語の系譜には、
フランスのシャルル・ペローが書いた
サンドリヨン』の前が、
17世紀のイタリア詩人のバジーレ作の
灰かぶり猫』なのですが・・・
グリム童話になって、
寒さのあまりカマドの側の灰のなかに
寝ていたいので「灰かぶり」=シンデレラ
呼ばれるようになったとのこと。

靴の話に戻ります。
『サンドリヨン』の「ガラスのスリッパ」が、
ディズニーによって「ハイヒール」に…
そして「ガラスの靴」ってことに定着します。

「靴が縮んだのよ!」
それにしても合わないとなると、
シンデレラは足は、
相当に小さかったのでしょうか?

実はこのこと自体に
魔法がかけられているのです。
なぜなら、
シンデレラ以外は
決して履けてはダメなのですから…

衣装デザインのサンディ・パウエルさんは、
ガラスの靴についてこう語っています。
「靴は、ノーサンプトンの博物展でみつけた
 1890年代のオリジナル・シューズをベースにしたもの。
 その靴は、ヒールが12.7cmほどある、
 ありえないほど小さな靴で、とてもエレガント。
 でも輝かさせるためにはクリスタルで作るしかないので、
 スワロフスキーに協力を頼んだの。
 できるだけ継ぎ目のない納得のいく靴のかたちを
 作り出すこと自体チャレンジだった。
 この靴を作るためだけの装置まで開発したのよ。」

実写版とアニメ版の
比較動画はこんな感じです。。。
グリム童話の「金の靴」が
ヒロインの姉たちの足に合わなかったとき、
まま母は「足の指なんか切っておしまい」と、
姉のつま先を庖丁で切り落とさせたのだから、
まさしくシンデレラの靴には、
人を狂気にさせる魔術が、
封じ込められているのでしょう。

ラストのシーンで
シンデレラが継母に発するセリフ。
「あなたを許します」
想像以上の強さのある、
新しいプリンセスの姿が
登場したということなのかも知れませんね。

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