ながさき洋館めぐり 旧ウォーカー住宅

「旧ウォーカー住宅」
ウォーカー商会を設立した
ロバート・ネール・ウォーカーJrの旧邸。
もとは大浦天主堂のそばに
建てられていたそうです。
円形のベランダはグラバー園に
移築される前から
港に向かって開かれていたそうです。
日本風の庇など洋風ながらもそこかしこに、
日本の意匠が取り入れられていることは、
ウォーカーがいかに親日家であったことを
如実に示しています。
ウォーカーは、
明治中期に建てられたと考えられる
この建物を購入し、
亡くなるまで居住していたそうです。
縦長窓に禅宗寺院にみられる
花頭窓」をあわせたようにもみえます。
そしてベッドの奥には屏風が置かれていました。
 ロバート・N・ウォーカーは、1874年に来日。
三菱系列の会社と日本郵船に勤務した後、
一旦イギリスに帰国してから再び来日。
1898年に「R. N. ウォーカー商会」を設立、
海運業中心の貿易事業を営んでいたようです。

1904年(明治37年)には、
バンザイ清涼飲料工場」を開業、
ジンジャーエールなどの大量生産に成功した人です。
兄ウィルソン・ウォーカーは、グラバーとともに
「ジャパン・ブルワリ・カンパニー」を創立。
実はこれがキリンビールのルーツなのです。
 こちらは近くにあった
水道創設等の共用栓。
裏手にはグラバー園としてはお馴染みの、
斜行エスカレーターがありました!!

「旧ウォーカー住宅」

建築年:1883~1902年(明治16~35)
構造:木造瓦葺平屋建
設計:不明
所在地:長崎市南山手町28番乙(→グラバー園内)

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