草原の王国「契丹」を駆けめぐる

九州国立博物館が開館前から準備を
すすめてきたという特別展、
特別展「草原の王朝 契丹」
大阪市立美術館 で見てきました。

福岡、静岡、そして大阪に巡回、
そして最後は東京・上野の
東京藝術大学大学美術館」で行われるとか。

天王寺公園内にあるので満開を
ツツジを愛でつつ開場へ。。。

唐王朝が滅亡したちょうど千年前に
草原地帯に起こった「大契丹国」。
中国大陸を指す言葉である
ロシア語の「Китай(キタイ)」とか、
英語の「Cathay(キャセイ)」のルーツは
この「契丹」にあるらしいのです。
知らなかったなぁ~。
優れた騎馬戦術や
北宋、高麗、西夏、ウイグルなどとの
近隣との活発な交流によって富み栄え、
現在の北京や内モンゴル自治区・モンゴル・
ロシア・カザフスタン付近にいたる
広大な領土を保有していたとか。

契丹を生きた3人のプリンセスにまつわる展示は、
どれも極彩色の品々で金ピカ大集合。
やはり金は褪せないことを実感させられました。
十方仏塔(じっぽうぶっとう) 




















慶州釈迦仏舎利塔から出土した、
印刷された法華経を収めている大型の舎利塔。
轆轤(ろくろ)で成形されているのだそうです。
十方はあらゆる方角をまもるという十方仏には、
色彩の美しさが今に伝わります。
彩色木棺(さいしきもっかん)














こちらは「トルキ山古墓」出土の彩色木棺で、
金箔の鳳凰や牡丹唐草をあしらわれていました。

極彩色の展示品のなかで
落ち着きをみせていたのが陶磁器たち。
めずらしいカタチの壷は騎馬民族である
契丹族のまさにオリジナル・デザイン。
皮で作った携帯用の袋に
飲料水などを入れていたそうで、
皮嚢壺(ひのうこ)と呼ばれるこれは、
その「皮嚢」のフォルムを写したもの。

この展覧会のもうひとつのお目当ては、
展覧会オリジナルグッズのパンダ「OH!パンダ」。
マウスパット(800円)とあぶらとり紙(400円)、
その他にトートバック(1200円)もありました。

パンダが冠っているのは展示品の一つでもある
鳳凰文冠(ほうおうもんかん)」。
陳国公主
(ちんこくこうしゅ)のお墓にあったもの。
雲と鳳凰がおりなる透かし彫りで、
これは埋葬用のものだが普段も皇族たちは
同じカタチの冠を頂いていたようです。
鳳凰文冠(ほうおうもんかん)













九博(九州国立博物館)のサイトを見ると、
三人のプリンセス...とかあって
展示品ごとになにか演出をしていたようですが、
大阪市美では淡々と展示品が並べられていました。

そして隣接する「慶沢園」でホッコリと…
絵葉書やらグッズなんかをパチパチしながら、
新緑にいろづく元住友家の庭園を楽しみました。
ただ風景には変化が...

大阪市内にいると感じさせない風景には、
あべのハルカス」が天空に向けむっくりと。

過去の慶沢園のブログ: 



大阪会場の会期は6月10日(日)まで
月曜休館。ただし、4月30日・5月1日は開館。
入場料:一般 1,300円



東京会場:東京藝術大学美術館(上野公園)
会期 2012年7月12日(木)~9月17日(月・祝)
休館日:毎週月曜日(ただし7月16日・9月17日は開館)、
    7月17日(火)、8月18日(土)

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