大大阪をあるく19  大阪農林会館


















「大阪農林会館」

もともとは「旧 三菱商事 大阪支店」で、
その後 農林水産省の役人OBが買い取って、
穀物の取引所として
使っていたときのネーミング。

1階部分が石張りで
上層階はタイルが貼られている。
モダニズム様式の大型ビルで、
今はスタイリッシュなお店が集まるのに、
「大阪農林会館」のままって、
そのアンバランスさが面白い。




















天井が高く風格のある扉から入ると、
広々としたホールがあり、
大きな窓から陽射しが降り注いでいた。

















丁寧に作りこまれた木製の手摺りは、
レトロビルの風格を伝える逸品だ。




















なんと
今なお、重厚な金庫が
各階の廊下に鎮座する。
装飾としての役割を果たす。



































ユニークなのは外観にも見られる。
このビルが建てられた昭和初期には珍しく、
窓が壁からせり出していて、
外観に陰影が見られない。
一見フツーの雑居ビルのようなシルエットが、
よく見ると味わい深いのである。
















おしゃれに横文字のショップロゴが入っても、
両手広げてかたくなに「大阪農林会館」
楷書体でアピる所なんかタダものではない。
















「三菱商事大阪支店」
建築年:1930年(昭和5)
鉄筋コンクリート造5階建 地下1階
設計:三菱合資会社地所部

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