福岡をゆく 仙厓さんを訪ねて

手塚山通信でたびたび紹介した仙厓さん
この博多の地に仙厓さんを
こよなく愛した菓匠がおられました。

















「石村萬盛堂 」
須崎本店 ‎があるのは、
福岡市博多区須崎町2−1。
ここは「福博」といわれる境目で、
博多祇園山笠のクライマックスである
「追い山」の廻り止がここにあたります。

山の舁(か)き棒の先端が入る瞬間は、
本店の二階で計測されてきたそうです。
1トンもある山が疾走し決勝点となるのが
この地にあたるそうです。

ところで、
先代の社長の 石村善右 さんは、
商売の傍ら博多にある「聖福寺」という
日本最古の禅宗寺院に通い、
禅の修業を重ね、書を学ばれたそうです。













聖福寺
山門
 江戸期に山門は焼失したが、
 「扶桑最初禅窟」の勅額は
 幸いに落下して焼失を逃れた。

 地下鉄空港線「祇園」より 徒歩約5分



先代社長は仙厓和尚を心から尊敬し、
作品の収集を続けたのだそうです。
現在は福岡市に寄贈され福岡市美術館
「石村コレクション」として
広く愛される存在となっています。

お店には 石村善右 さんが、
筆を取られた『仙崖百話』も売られていました。


和菓子にも仙厓さんゆかりのものがあり、
・仙崖さん もなか
・仙崖さん 阿の月
・仙崖さん 寅焼き がそれです。


















「阿の月」
プラリネクリームを
はさまれた卵風味のせんべい


「石村コレクション」
    のひとつ、
「指月布袋図」にある
「阿の月か落ちたら
  誰にやろうかひ」
     から来るもの。









仙厓さんの「寅やき」のパッケージ。
「虎を描いて猫となす」という
画賛がついた絵。
2008年に紹介したことが
あった愛嬌のある虎です。















北海道産の小豆が
ふっくら生地に
挟まれている
「どら焼き」







「もなか」には仙厓さんの印号。

一つ一つに小さな短冊が付いていて、
仙厓さんの句が添えられています。
















虎次郎が食べたのには
「太宰府うそかへ
 世の中の うそとうそとにかへがへに
 かへて與へん 我は誠を 」 とありました。

太宰府天満宮の鷽替え 神事のことです。














「石村萬盛堂 」 さん
看板商品は「銘菓 鶴乃子」
いまでは福岡のおみやげ屋では、
どの店でも目にすることができる
福岡土産の定番モノになっています。

もともとは専門に作っていたが 鶏卵素麺
黄身のみを原材料とするので、
大量に余ってしまう白身を有効利用したのが、
このマシュマロで中に黄身餡が入ってあります。


















最初は玉子の殻に淡雪と餡をつめたものが、
明治40年代に舶来のマシュマロの技術を
導入して今日に至っています。

この「鶴乃子」ですが賞味期限を表示する
かわりに箱の中に松の葉を入れていたようです。















鶴と松はオメデタい組み合わせですが、
白い箱には緑が映える。

「鶴乃子」固くなってしまうまでの日数と、
松の葉が深い緑から茶に変色するまでの日数が、
ほぼ同じだったからで、
湿度による変化もほぼ相応しているそうです。

現在は日数表示になっていますが、
単に日数が表示されているよりも
合理的かも知れませんね。
















仙厓さんの書画とは対象的に
奥に鎮座するゆるキャラが、
マシュマロ大使の「マフィ」と「マフィーズ」

実は1977年から始まったといわれる
ホワイトデー を仕掛けたのが
三代目社長の石村善悟さんで、
当初マシュマロデーとして
スタートさせたのは
「石村萬盛堂 」 さんなんです。





ご当地のハリーホークとの
  コラボパッケージもの


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