福岡をゆく 仙厓の「堪忍」を掲げる企業家

門司は出光興産発祥の地。
大正期の倉庫の雰囲気を伝える
建物の外観はそのまま残した
出光美術館(門司)があります。





















出光の創業者である 出光佐三 さんは、
仙厓の絵にとても惹かれていたようで、
出光美術館は仙厓との出会いが
スタートだったと言われています。

併設する「出光創業史料館」には、
窓外の風景も再現された、
往時の様子を伝える社長室
東京・丸の内の本社から内装、調度品などを
そのままそっくり移設してきたのだそうです。

特に豪華というものではなく、
時代を感じさせる部屋にも
なにげに「仙厓の画」が掛けれていました。
仙厓コレクターの本丸の再現です。












創業者の写真の代わりに 仙厓の
「堪忍」の複製画を

掛けさせていたのだそうです。

「気に入らぬ風もあろふに柳哉」

















風は自分で選ぶことができない。
強い風も冷たい北風も
柳にとってもつらいもの、

枝葉を風になびかせて受け流し、
幹はしっかりと立ってい る。



仙厓から始めた美術品のコレクションは、
出光商会は出光興産へと発展していきます。

蒐集への情熱は事業へと繋がったようです。



出光佐三 さん自身は
書や絵画は嗜まれませんでしたが、
「事業そのものが芸術である」
彼の言葉はいまも引き継がれています。



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