2010年1月21日木曜日

タイムスリップ大阪万博 その9 富士Gパビリオン

佐津川 匡宏さんの1/500スケール。
富士グループ・パビリオン」は、
空気膜構造のチューブを連結して
作られたエアドーム建築ですので、
このスケールでは
質感を出すために、
ビニールチューブで
原型が作られています。

気密加工したキャンパス地の
チューブを空気で
膨らませたって感じを出すには、
かなり試行錯誤があったようです。

実物は
「直径4m長さ78mのエアビームが
 16本アーチ状に立ち並び、
 各エアビームは4m間隔で、
 横ベルトによって相互に繋結」
「エアビームはビニロン・ キャンバス
2枚の張合わせで破断強度は抜群。
その上、多段式ターボブロアの常設で、
台風などの外力に対応して可変できる強度」

 太陽工業(株)のHP より

そうこのパビリオンも
太陽工業(株)の手によるもので、
アメリカ館」と同じ「エアドーム」です。

EXPO CAFEのペーパークラフト
アメリカ館

実際はワイヤーで
斜め下に引っ張られていたので、
両端のアーチは
下に垂れさがっていたようです。
当時の写真もそんな感じに見えます。

ただ 佐津川 さんのモデリングは
“凄い”の一言に尽きます。
質感を感じさせる模型
照明灯とか配管とか、
とにかく徹底しておられます。

タイムスリップグリコ版
横からみたとこ

富士グループ・パビリオン」の
お隣は実は「日立グループ館」で、
その間に「動く歩道」が
存在していたそうです。
パビリオンとパビリオンとは
連結できるようにとつくられた
佐津川 モデルには
コダワリの質の違いを
感じさせるものがあります。

佐津川 匡宏さんの1/500スケール。
動く歩道」もある。
手前にあるのは
タイムスリップグリコ版

ただ廉価版の
タイムスリップグリコ版は、
チューブでは作られてはいませんし、
細かいところはパテで
固められた成形になってます。
独立したフィギュアと
なってしまっています。

タイムスリップグリコ版

1968年11月頃には
すでに「幌馬車」のような、
奇妙なデザインはすでに建築家の
村田豊さんのところで
出来上がっていたようです。

デザイン策定の時点で
「太陽工業」も
工事グループの一員として
そこに参画はされていたようですが、
果たしてその形状を設計図面に
落とすということは、
いったい誰ができるのって
感じやったそうです。

当時の建築業界には
コンピューターは
導入されていなかったし、
この建物はそれまでの
力学的要素を逆転させるもの。
どこに負荷がかかって
どう支えたらいいのって??

簡単に言うと建物が
外に押し出す力より、
受ける力の方が
大きくなっている構造体です。

難しく言えば、
「古典的建築とは逆に外力は
建物の自重を越え、
自重と外力との関係が
逆転してしまう。」???。

富士グループ館の模型
 太陽工業(株)のHP より

で図面というか
モデリングをどうしたのか?
太陽工業のデザイナーの
沖 種郎 氏の
こんな言葉が残っています。

「あの複雑な曲線を
 “数学”的な計算では
 とても設計図には落とせないが、
 車のデザインでやってきた
 “ 図学 ”から入れば出来る。」
と直感したそうです。

日本の草分けカーデザイナーの
渾身の一作がこの
「パビリオン」でした。

「EXPO '70を偲ぶ」
を参考にさせてもらいました。