正倉院の色彩

正倉院展の
初日の土曜日には、
早朝から約1000人の
行列ができたそうです。

開館時間も約5分
繰り上げされたそうだ。
初日の入場者すうはなんと
約1万2000人、
近頃の正倉院展ってホント
ヒートアップし過ぎやと
    思いますわ。




正倉院宝物をめぐっては、
保存、整理、修復などの作業とともに、
模造、修復の取組みが進められています。
再現することで、
天平のすぐれた工芸技法や文化を伝えています。



今年の正倉院展では、
サーモンピンクの花形皿が出品されていました。
その名も「漆彩絵花形皿」
(うるしさいえのはながたざら)。
今回の出品には「彩」という字がつくものが、
       8点出陳されています。

















正倉院宝物の復元には明治時代に描かれた
「正倉院御物写」という巻物に
その図案を求めることができます。

宝物が作られた当時の基本的な色の組み合わせ、
「赤・青・緑・赤紫」
これらの色は暗い仏堂に映えるためにということで、
正倉院宝物の色づかいの主役です。

彩色(さいしき)とも言いますが、
自然なところから見出した美意識は、
今でもホッとさせる色彩として
受け入れられているのだと思います。


そもそも「色彩」という言葉ですが、
女性が座る姿の「巴」と男性の立ち姿「ク」
組み合わさったものが「色」のなりたちです。
男性が女性を抱くカタチであるからして、
性的な関係を表現しています。

「色っぽい」とか「色気」というのは、
「色」に性的な匂いを秘めているからだと言えます。


「彩」の方は、中国では色のことを「采」
言っていたところにルーツがあるようです。
ところで「色」は英語だと Colorですが 「彩」Aya。
そのもの日本人の色彩感覚というのは、
東洋人独特のものであったのかも知れません。

万葉集には色のことを
「いろと」「いろも」という言葉でも著されています。
「理想の男性・女性」とか
「恋しい男性・女性」とかけることもあり、
この点でも色恋は切っても切れない関係なんでしょう。


「漆彩絵花形皿」
の復元は1996年(平成6年)、
木の一枚板を彫るところから行なわれました。
その復元品は現在 奈良女子大学
古代学学術研究センターに収められています。

宝物の表面の化学分析で鉄の成分の存在が認められ、
鉄鉱石を原料とする赤色「ベンガラ」です、
実は脚は取り外しができるようになっているそうで、
縁は金箔で飾られています。




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